Mayaの「Camera, Aim, Up」と同様のターゲットカメラのリグをBlenderで再現する
Autodesk Mayaの標準カメラである「Camera, Aim, Up」は、カメラがターゲット(Aim)を常に向くと同時に、カメラの「上向き」方向(Up)が指定したオブジェクトに合わせられるリグ構造です。これにより、カメラが常に特定のターゲットに向きつつ、カメラの回転軸を制御できます。Blenderでも同様のカメラリグを作成することが可能です。
エイムカメラとは?

エイムカメラは、特定のオブジェクト(ターゲット)に常に向かっているカメラのことです。アニメーションや静止画のシーンで、カメラが特定の対象を捉え続けたい場合に便利です。
カメラ、Aim(ターゲット)、Up(アップ)を追加する
それぞれのオブジェクトを作成しAim_Upカメラリグの準備を行います。
カメラの作成
シーンにカメラを追加します。

追加(Add) > カメラ( Camera)

Cameraの名前を”Camera_Aim_Up”など分かりやすい名前に変更します。
Aimオブジェクトの作成
カメラのターゲットとして、任意のオブジェクトを追加します。

今回は容量が軽く邪魔にならない十字オブジェクトを使います。
追加(Add) > エンプティ(Empty) > 十字(Plain Axis)

名前を”Aim”に変更します。
Upオブジェクトの作成
Upオブジェクトとして、別のオブジェクトを追加します。Aimと同じ手順でUpオブジェクトを追加します。

名前を”Up”に変更します。
Upオブジェクトは上方に移動します。
カメラにコンストレイントを適用
Aimの設定
カメラの注視点(Aim)を制御するオブジェクトの設定を行い、カメラが移動しても絶えずAimを中心にとらえるようにします。

カメラを選択して、右側のコンストレイントプロパティ(Constraint)タブを開きます。

オブジェクトコンストレインを追加(Add Object Constraints) > トラック( Track To)
を選択します。

「ターゲット(Target)」フィールドに、ターゲットオブジェクト(Aim)を設定します。

「トラック」コンストレイントのトラック軸(Track Axis)が -Z、上(Up)が Y であることを確認します(デフォルトの状態です)。
Aimの確認

カメラを移動します。絶えずAimをカメラが真ん中にとらえていることを確認します。
Upの設定
次に、カメラの傾きを制御するオブジェクト(Up)の設定を行います。
先ほどのカメラを選択して右側のコンストレイントプロパティ(Constraint)タブを開きます。

オブジェクトコンストレインを追加(Add Object Constraints) > 軸固定トラック(Located Track )
を選択します。

「ターゲット(Target)」フィールドに、アップオブジェクト(Up)を設定します。

「固定軸トラック」コンストレイントのトラック軸(Track Axis)が Y、固定された軸(Located Axis)が Z であることを確認します(デフォルトの状態です)。
Upの確認

Upを移動します。絶えずカメラがUpの方向に向かって傾くことを確認します。
まとめ
BlenderでMayaのエイムカメラと同じカメラリグを作成するには、トラック(Track) コンストレイントを使用します。また、軸固定トラック(Located Track )コンストレイントを使用することでカメラの傾きを制御するUpリグを再現できます。この手順でBlender内でカメラが特定のオブジェクトを常に捉える動きを再現できます。