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【Blender4.2】ライティング実践編 -3点照明の設定方法-【3DCG初級】

2025 2/23
2025-02-23

ライティング実践編として、3点照明(3点ライト)(Three-point lighting)のセッティング方法を解説します。それぞれのライトの役割やパラメーター設定のポイントに加えて、シーンの雰囲気に影響を与える色の設定にも注目します。

今回はBlenderで設定を行っていますが他の3DCGソフトや現実世界でのライティングにも応用が可能です。

Blenderライティング基本編
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3点照明(3点ライト)によるレンダリング画像
Contents

ライト設定のポイント

おさえるべきポイント

ライト設定の目的は「被写体を魅力的に見せる」ことにつきますが、最低限以下のポイントをおさえれば、概ね及第点が得られます。初心者はまずここから意識しましょう。

  • 目立たせたい箇所に光が当たっている
  • 被写体のシルエットが視認できる
  • 白飛びがない
  • 黒潰れがない

直接光と間接光

光には被写体を直接照らす直接光と物体を反射することで被写体に当たる間接光があり、ライトの種類で直接光と間接光の役割を分担します。

直接光を強く設定することで劇的でシャープな印象が得られ、間接光を強くすることで柔らかく平面的な印象が得られます。どちらが正解という訳ではなく、シーンの雰囲気や演出意図によってバランスを変えることで理想の画作りを行います。

直接光

間接光

主にキーライトを使い、光源からオブジェクトにまっすぐ当たる光。強い陰影や輪郭を作る

フィルライトやバックライトを使い、反射や散乱によって得られる柔らかい光を作る


色の設定

光の色はシーン全体の印象を左右します。ここでは、自然光の色域の基準となる色温度と、照明の色の変化によってどのように印象が変化するかを確認します。

色温度とは?

色温度は光源の色合いを示す数値で、ケルビン(K)で表されます。色温度は光の質感やシーンの雰囲気を調整する際に重要です。色温度が低いほど暖色(赤やオレンジ)、高いほど寒色(青や白)になり、自然光を模した照明の場合はこの色域が基準となります。

夕日の光は約3000K、昼間の太陽光は約6500K、曇り空は8000K以上です。

Blenderではケルビン値を直接設定できませんが、カラーピッカーを使って適切な色を再現できます。

色で雰囲気を作る

照明の色彩設計は画像の雰囲気づくりや演出意図に関わる重要な要素です。ここでは照明の色の変化によってどのような印象を受けるかを確認します。

暖色系
寒色系

色温度が低いと温かみのある雰囲気に

色温度が高いと空間を感じる雰囲気に

暖色+寒色
色温度の色域と異なる色

直接光を暖色、間接光を寒色にして屋外の空気感に

色温度から離れた色彩設定で非日常な空間を演出


ライト設定の準備

実際にライティングを始めていきます。3点照明を設定する準備段階として、Blender側の設定と、ホリゾント(背景)の設置を行います。

レンダーエンジンの設定

レンダーエンジンの設定を行います。デフォルトのEEVEEは簡易的なレンダラーなので、写実的(フォトリアル)な画を計算できる「Cycles」に変更します。レンダーエンジンを変更すると、ビューポートのライティング結果やライトのパラメーターの内容も変わるので必ず最初に設定しておきます。
また、レンダリング時にGPUを使用することにより、計算時間を早めます。

レンダープロパティ(カメラのアイコン)をクリックします。

  • レンダーエンジン:Cycles
  • デバイス:GPU演算

ビューポートシェーディングモードを変更

ライティング作業の際はビューポート上でライティングがリアルタイムに確認できる状態にします。

 右上のビューポートシェーディングアイコンから「レンダープレビュー」に切り替えます。
→設定したライトの効果がリアルタイムでシーンに反映されます。


ホリゾント(背景)の設置

ホリゾントは、ライティングの効果を引き立てるために重要な要素です。シーン全体の仕上がりに影響を与えます。被写体のシルエットを際立たせたり、光の反射(間接光)を調整します。

事前にホリゾントオブジェクトを作成し、配置します。
素材は布地や紙のようなマットな材質が一般的なので、マテリアルの「粗さ」を高めに設定します。

ホリゾントのカラー

ホリゾントのカラーは被写体の印象を決める大事な要素です。

白いホリゾント
黒いホリゾント

光が均一に反射し、クリーンで自然なライティングに適しています。

ドラマチックでコントラストの強いシーンを演出できます。バックライトの効果を顕著に確認できます。

ライトの設置

ビューポート内で,カメラの位置や影響範囲や強度を確認できます。
また、アウトライナ―右側の表示/非表示アイコンでライトのON/OFFを切り替えることが出来ます。

  ビューポート上のライトのON/OFF

 レンダリング時のライトのON/OFF

3点照明(Three-point lighting)による照明設定

3点照明(3点ライト)とは?

3点照明(Three-point lighting)は、最も基本的で広く使われているライティング手法です。3つの異なる方向から光を当てることで、オブジェクトに自然な陰影と立体感を生み出します。

キーライト(Key Light)
 メインの光源で、シーンの主な明るさを決定します

フィルライト(Fill Light)
 キーライトによって生まれる陰を柔らかくし、コントラストを調整します

バックライト(Back Light)
 オブジェクトの後ろから当てる光で、輪郭(シルエット)を背景から際立たせます

現実のフォトスタジオでは異なる種類のライトを多数配置しますが、原理的にはこの3点照明のルールに則りながら配光を行っています。3点照明はスタジオライティングの基本と考えて問題ありません。

複数のライトそれぞれに3点照明の役目を割り振る(名古屋造形大学フォトラボ)

キーライト(Key Light)

被写体の形状や立体感を強調し、陰を作ります。

キーライトは、オブジェクトに直接光を当てる最も強い光で、被写体の印象を決定します。

被写体の目立たせたい箇所を明るく、省略したい箇所を暗くすることで画面内の明暗のレイアウトを設計します。

被写体が人物の場合はレンブラントライティングと言われる、斜め上45度あたりに配置する方法で、陰に当たる方向の頬骨あたりに三角形の光が出来るように設定します。

キーライトの設定例

位置通常、被写体の片側45度の角度で立体感を出します。
正面から当てて柔らかさを出す場合もあります(その場合はパワーを下げサイズを大きめにします)
ライトの種類Area Lightがおすすめ。光の拡散が自然で、被写体全体を均等に照らします。
カラー5000K(昼白色)を基準に、冷たい印象にするなら6500K、暖かい印象にするなら4000Kに設定。
パワー300~500W(被写体の大きさに合わせ調整)。強すぎない(白とびしない)光を心がけましょう。
サイズ大きめの設定(Size: 1m~3m)で柔らかい影を生成します。

フィルライト(Fill Light)

影を柔らかくし、全体のバランスを整えます。

フィルライトはキーライトによって生じる陰(シェード)を柔らかくする補助的な光です。

陰は形を説明するうえで大変重要な要素ですが、相応の演出意図がない限り真っ黒はNGです。キーライトで暗くなり過ぎた個所の色をフィルライトで底上げします。

ライトの強さは弱めで、強くすると全体的にフラットな印象を与えます。

フィルライトの設定例

位置キーライトと反対側の低い位置に設置します。下から照り返す環境光をイメージして照らします。
ライトの種類Area LightやSpot Lightでも効果的。
カラーキーライトよりも少し冷たい色(7000K程度)で自然な色合いを作る。
パワーキーライトの半分程度(150~300W)に設定し、影を軽減。強すぎると平坦な印象になるので注意。
サイズKey Lightより少し小さめ(Size: 0.5m~2m)で設定。

バックライト(Back Light)

被写体を背景から際立たせ、シルエットを強調します。

バックライトは、リム(縁)ライトとも呼ばれるオブジェクトの後ろに配置して輪郭を際立たせ、背景から被写体を浮かび上がらせるライトです。

被写体のシルエットはとても非常にかなり重要な要素です。被写体とバックの境界が分からない状態を回避するため後ろからライトでシルエットを強調します。被写体が立体的に見え、奥行感のあるシーンを演出できます。

バックライトの設定例

位置被写体の後ろから照らし、輪郭を際立たせます。特に人物の髪やシルエットを強調する効果があります。
ライトの種類Area LightやSpot Lightでも効果的。
カラー基本は冷たい白(7000K–9000K)で被写体を際立たせます。ポートレート撮影では暖色も可。
パワー キーライトよりも弱め、フィルライトよりもやや強め(200~400W)。
サイズ被写体の輪郭に光がしっかり当たる程度のやや大きめに設定します。


レンダリングの実行と最終調整

レンダーメニューから「画像をレンダリング(Render Image)」を選択してシーンをレンダリングします。

ショートカット:
Blender標準: F12
業界互換キーマップ: Ctrl +Enter

すべてのライトを配置した後、Cyclesレンダラーを使用して最終調整を行います。カメラビューでのライティング効果を確認し、光が均等に回っているか、または影が自然に表現されているかを確認します。最終的には、シーンの目的や被写体の質感に応じて、各ライトの強さや色を微調整して完成です。


HDRIの使用

最後に、補足情報としてHDRI(高ダイナミックレンジ)画像を使用して環境光を設定する方法について説明します。HDRI画像は屋外天球という印象を受けるしれませんが、屋内においても効果を発揮します。特に照明設定がしっかり出来上がったHDRI画像を設定することで手軽にリアルな照明効果を得ることが出来ます。

HDRIのレンダリング方法
【Blender4.2】HDRI画像を設定しレンダリングを行う【Tips】 BlenderでHDRI画像を環境ライトとして設定することで、シーンにリアルな照明効果を与えることができます。この記事では、無料でダウンロードできるHDRI画像を使用して、…

Poly HavenなどのフリーのHDRIダウンロードサイトには、屋外天球のほかに、室内や屋内スタジオのライティング環境を模したHDRI画像も多数存在します。

https://polyhaven.com/hdris/studio/artificial%20light

これらのHDRI画像を使用、またはHDRIと3点照明を併用することで、高い精度のライティングと作業の効率化が見込めます。

Studio Small 09(Author:Sergej Majboroda)
Blenderのビューポート(シーンのワールド)に読み込んだ状態
レンダリング画像
HDRI画像をシェーダ―エディターで確認する方法
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まとめ

Blenderでのライティングは、3点照明(Three-point lighting)を的確に設定することでオブジェクトのリアリティや立体感を引き出すことができます。色温度や光の強さ、各ライトの配置を意識することで、シーンの雰囲気を自由自在にコントロールできます。また、ホリゾント(背景)や色の設定にも気を配ることで、プロフェッショナルな仕上がりを目指すことが可能です。

皆様のシーンに応じた微調整を行い、理想的なライティングを実現してください。

Next Step
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