
iesファイルは、実際の照明器具の光の放射パターンをシミュレートするデータファイルで、リアルなライティング効果を再現するのに便利です。
このガイドでは、Blenderで.iesファイルを使ったライティング設定方法を説明します。
.iesファイルとは?
.iesファイルは、照明器具の強度、光の分布、広がりかたなど(配光特性)を記録したデータファイルです。.iesファイルは国際照明規格「IES(Illuminating Engineering Society)」によって定義されており、照明器具メーカーが自社製品の光の挙動を詳細にシミュレートできるように提供しています。
このファイルをBlenderで読み込むことで、現実世界での照明器具の特性に近い光の挙動を3DCG空間で再現できます。
.iesファイルのダウンロード
.iesファイルは照明企業などのWebサイトからダウンロードできる場合があります。
また、いくつかのサイトでは著作権フリーの.iesファイルを公開しています。
IES Library
ユーザーが自由にダウンロードできる豊富な.iesファイルを提供しています。さまざまな種類の光源の.iesファイルがあり、シンプルな配光から複雑なパターンまで選べます。
今回はこちらの比較的わかりやすいシンプルな配光の.iesデータを使用します。
Download IESボタンでダウンロードを行います。
Blenderで新しいプロジェクトを作成
Blenderを開き、屋内ファイルを開きます。

ライトを追加
シーンにライトを追加します。.iesファイルを適用できるライトのタイプは「ポイントライト(Point Light)」「エリアライト(Area Light)」です。今回はライトの方向を視認しやすいエリアライトを使用します。

「追加(Add) > ライト(Light) > エリアライト(Area Light)」

シーン内でライトを適切な位置に配置します。
ライトの設定を調整
エリアライトを選択した状態で、右側の「プロパティ」パネルから「ライト」タブに移動し、設定を行います。

パワー(Power): ライトの強さを調整します。.ies側のパラメーターでも微調整が可能です
シェイプ(Shape): エリアライトの形を指定します。ここでは「Disk(円形)」を選択します。
サイズ (Size): エリアライトのサイズを調整します。大きくするとエッジがぼけるので小さ目がおすすめです。
.iesファイルを適用する
.iesファイルをエリアライトに適用します。

ノード(Nodes) 「ノードを使用(Use Nodes)」をクリックします。

強さ(Strength)●のボタンをクリックします

タブの中から「テクスチャ > IESテクスチャ(IES Texture)」を選択します。
初期画面に存在しない場合はウィンドウ上部の

IESテクスチャプロパティ より
ソース 外部 (External)をクリックします
画面下部の フォルダアイコンをクリックします。

先ほどダウンロードした.iesファイルを選択します。
フォルダーを開くをクリックします。

.iesライトは「色(Color)」や「発行の形状(Beam Shape)>ひろがり(Spread)」などによる調整が可能です。
適時シーンや演出意図に合わせ調整を行ってください。
レンダリング設定

.iesファイルの特性を最大限引き出せるよう「レンダープロパティ」タブに移動し、レンダリングエンジンを「Cycles」に設定します。

レンダリングを行い結果を確認します。
まとめ
Blenderで.iesファイルを使用することで標準のライトでは再現できない現実的な室内ライティングを再現することができます。.iesファイルには様々なバリエーションがそろっていますので、ご自身のシーンや演出意図にあったライトを選択することでより魅力的なライティングが可能になります。