Blender のプリンシプルBSDFシェーダー(Principled BSDF Shader)における「伝播(Transmission)」と「アルファ(Alpha)」は、どちらもマテリアルに透明感や透過効果を与えるために使用されます。
・伝播(Transmission): 光の屈折や内部反射を伴ったリアルな透過をシミュレート。透明な物質の物理的な表現に最適。
・アルファ(Alpha): シンプルな透明度調整。屈折や反射はなく、オブジェクトの見た目を透過させたい場合に適している。
それぞれの特徴を理解して使い分けましょう。
伝播(Transmission)とは

伝播(Transmission)は、物体を通過する光の屈折や内部反射といった挙動を計算して描画出来る機能です。計算結果はIOR(屈折率)やサブサーフェス(Subsurface)などのパラメーターで変更が可能です。
ウェイト(Weight)
0 に設定すると、透明感がなく、通常の不透明なマテリアルになります。
1 に設定すると、光が完全に物体を通過する状態(ガラスや水のような効果)が得られます。





伝播(Transmission)の効果的な使い方
立体形状や、厚みのある形状に対しその物質の透明感を作ることが出来ます。
ガラスや水などの透明なマテリアルをリアルに表現することができます。
IOR(屈折率)を変更することによりレンズや鉱石のような高い屈折率の物質を再現したり、サブサーフェス(Subsurface)を変更することにより牛乳のような透過しない液体なども再現可能です。

アルファ(Alpha)とは

アルファ(Alpha)は、物体の透明度を制御するパラメータです。アルファはマテリアル全体の透明度を調整するために使用され、単純な透明効果を提供します。光の屈折や複雑な内部反射は表現されないので、透過マテリアルとしての使い方に特化しています。





アルファ(Alpha)の効果的な使い方
板状のオブジェクトに対して、透明部分(アルファチャンネル)を含むテクスチャを貼り付けます。
アルファチャンネルをアルファノードに接続することで、デカール処理や木の葉のような複雑なシルエットを表現することが可能になり、ローポリゴンでも複雑な形状の表現が簡単に実現できます。
また、アニメーションテクスチャを板状のオブジェクト上で再生させる手法はゲームのエフェクトやUIなどに多用されています。


