あらすじ(LONG SYNOPSIS)
神が去り、宗教だけが残った世界を舞台にした物語。閉ざされたさびれた古いビルに孤独なロボットが取り残されている。
彼女は外の世界に出発したいと願うが、身体の制御が未熟で視覚も限定され、体を動かすことが困難なため、その能力は限られている。
彼女はビルの中心部までの長い旅の後、自身の能力を向上させるプログラムをインストールしようとする。
プログラムをインストールし、アップグレードに成功した彼女の視野は広がり、彼女は外の世界の美しさを体験する。
しかし、出発の為に必要なプログラムをインストールする途中で電欠によりインストールは失敗し、道半ばで失敗に終わった孤独な彼女を美しいビルの光だけが祝福する。
A story set in a world where God has departed and only religion remains. A lonely robot is left behind in a closed, deserted old building.
She longs to leave and explore the world outside, but her abilities are limited due to her immaturity, narrow field of vision, and difficulty in moving her body.
After a long journey to the center of the building, she attempts to install a program that will help her grow and improve her abilities.
With a successful upgrade, the robot’s field of vision expands, and she experiences the beauty of the outside world.
However, her program fails halfway through her journey due to a power loss, leaving her stranded and alone, enveloped by the beautiful world and blessed only by the light of the building.
解説1(Explanation1)
自主制作3DCG動画”Departure”はセリフもナレーションもありません。これはストーリーよりも世界観や音楽による”ミュージックビデオ”のように仕上げたいという製作者の演出意図のもとに作られたためです。ここでは、それゆえに分かりづらいストーリーについて、画と言葉を用いて説明していきます。
主人公の目的と課題(The main character’s purpose)

ロボットが一体、古い建物の中に閉じ込められています。

彼女の目的は奥の出口まで進み、外の世界へと「出発」することです。
しかし彼女の視界は限定的で、彼女の見る世界は曖昧な画像です。

しかし自身の身体を十分に制御できず、安定して歩くことも出来ません。
課題達成のために越えるべき試練(Trials to overcome)

彼女は自身の能力をアップデートするプログラムを転送する必要があります。

その為には彼女のプログラムが格納された学習装置を起動させなければいけません。
しかし学習装置はバッテリーは無くなり起動できません。
試練を乗り越える(Overcome a challenge)

中央に降り注ぐ太陽光を鏡で反射させ太陽光パネルに光を当てます。

電力を手に入れた装置は起動を成功させ、プログラムを彼女に送ります。

装置が彼女にアップデートプログラムを転送し、彼女は感覚情報と身体制御の機能を手に入れます。
目的の失敗と黄昏(Failure and twilight)

装置は、次に「出発」の為のプログラムを彼女に送り始めます。

しかし、日は傾き、転送の電力が途絶えます。

彼女は電力を失い、建物の中央でひざまづきます。

建物に黄昏が訪れ、光に照らされた彫刻が彼女を見守り物語は終了します。
