ここでは、実展示室【 Departure / Arrival 】で展示された画像の作り方を、短編動画”Departure”の主人公2人が解説します。


キラリさんのお部屋にお招きされたキラリさんと私のオフショットです。



女子会!やりたかったんだぁ♡



キラリさんは私をおしゃれさんにしたい様子で、テーブルにメイク道具を並べて準備万端です。



向かって左側、ルカコさんの傍らに本が積まれているところに内気な彼女の嗜好(というか防衛本能)を感じます(笑)。
3DCGによる画像生成





3DCGで配置した状態です。メイク道具や本編動画では一瞬しか出てこない奥のオープンクローゼットも、3DCGで作りこまれているのがわかりますね。
AIが苦手な構図



今回の画は安定した、日の丸(被写体が真ん中にある状態の)構図です。



人にとっては認識しやすいのですが、AIさんには被写体が小さかったり、手前にモノがあったり人が奥にいる構図は描きづらい画です。



今回はその点を3DCGで保管してあげて、AIさんが画像生成しやすい環境にします。
画像の要素を分割する











画の要素を「背景」「人物」「テーブル」「手前の植物」の4つに分けて画像作成します。
AIによる画像生成
人の要素のみを抽出





人物のみの画像をトリミングして画像を正方形にします。



AIさんは主に正方形の画を学習しているので、正方形のキャンバスのほうが描きやすいといわれています。
ポーズのみを抽出



同時に3DCGを使って作った人物のポーズのみの情報もAIさんに伝えます。





これを読み込んでもらうと「全く同じポーズ」とまではいかないまでも、3DCGのポーズを意識して描いてくれます。





AIさんはが生成した画像です。今回はポーズや指の形を崩さないように元画像を尊重する調整を行いましたが、表情はとても柔らかくなりましたね。


画像編集ソフトによる調整
生成画像を再配置





分割して生成した4つの要素を画像編集ソフトで合成します。
遠近法のフィルターとして奥行情報を使う





上記は3DCGで作成した奥行の情報です。通常はカメラの被写界深度(ぼかし)の際に使いますが、今回は画像を合成する際に使っていきます。



奥行画像を積極的に絵作りに用いる情報はあまり公開されていませんが、3Dを使うイラストレーターさんは日常的に活用している手法と思われます。





AdobePhotoshopで上記の奥行情報をマスクとして適応した状態です。







手前の植物のみ、印象が変化しているのが分かると思います。



この手法は奥行フィルターのようなエフェクト処理や、積極的な絵作りにも応用が利くので、是非色々なアイデアを取り入れて活用してください。
AIのいたずら(おまけ)



AIがこの画像をB1サイズにアップスケールする過程で、原画には無い小さな天使を描いてくれました。





通常であればレタッチで消してしまうところですが、かわいかったのでそのままAIさんのいたずらを残しました。



残念ながらWebページの解像度ではみることが出来ませんが、B1サイズのパネルでは確認することが出来ます。



皆さんも実展示会場のパネルで小さな天使を探してくださいね。
まとめ
企画展【 Departure / Arrival 】



このページは開催終了した企画展【 Departure / Arrival 】の為に製作されました。



Web展示室【 Departure / Arrival 】では、このページのほかにも展示物の制作過程(メイキング)や補足情報をお届けしているので併せてお楽しみください。


音声ガイド



こちらは実展示室【 Departure / Arrival 】の為に作成された音声ガイドです。