ここでは、実展示室【 Departure / Arrival 】で展示された画像の作り方と、資料を元に改装された教会の模様を、短編動画”Departure”の主人公2人が解説します。


教会の中での2人を描いた絵です。私はステンドグラスが映し出す光の世界に圧倒されています。



私が指さす方向には、私のお気に入りの守護天使の画があるんです。その画をキラリさんにも見てもらいたくて少しはしゃいでいます(笑)。



本編動画では感情や表情を表に出すことが少なかったので、元気いっぱいのルカコさんは新鮮ですね☆



今回の企画展でパネル製作を決めた時に製作者が一番最初に思い付いた絵のアイデアだそうです。
本編の教会を改装工事する
低層階は窓がなかった





本編では低層の窓はすべて封じられている設定なのでステンドグラスは見ることが出来ません。





今回の展示は「ルカコさんとキラリさんが出会う」特別な空間の為、舞台もより美しく改装しました。



低層のステンドグラスの光は皆さんも体験できますので、実展示会場のVR展示をご確認ください。
参考資料



今回教会の低層を改装するにあたり、仏在住のプロカメラマンでありアーティストのMami Kiyoshiさんからご提供いただいたブールジュの大聖堂の画像を参考にしました。











13世紀のオリジナルのステンドグラスがかなり残っているとのことで、時代を越えて往年の雰囲気を追体験できるステキな空間だったそうです。沢山画像を送ってもらった中から一部をご紹介します。
3DCGによる画像生成





塞がっていた低層の窓を開け、ステンドグラスも用意しました。低層ではこの壁をコピーしてすべての壁に使用しているので、一つ作ればすべての窓が開きます。







そしてステンドグラスは窓一つに対して全て同じ絵柄を貼っています。この画を元にAIさんが再生成した際、すべて異なる絵柄にしてくれる事を想像しながら作っています。





3DCGで生成した背景です。曲線の壁の光がたくさん入る場所にカメラを位置しました。
AIによる画像生成



上記画像をAIさんに渡して、画像を再生成してもらいます。





元画像を参考にAIさんに画像を書いてもらう場合、下記2つのパラメーターが重要になります。


CFG Scale:
プロンプト(文字による指示)を反映させたい場合は数値を上げる
Denoising Strength:
元画像から変化させたい場合は数値を上げる





今回は通常より大きめの数値を入れて画像AIさんに遊んでもらいます。







生成結果です。製作者の狙い通り、一つとして同じ絵柄の無いユニークなステンドグラスが生成されました、





細かいところですが、製作者のAIを使った遊び心を楽しんでもらえると嬉しいです。
画像編集ソフトによる調整



画像を編集するタイミングで、3DCGの作業で作成しておいたチンダル現象による薄明光線の画像を追加します。



薄明光線は「天使のはしご」ともいわれますね。3DCGによるライティングなので光の方向も自在に制御できます。





制作者はX型の構図を好んで使いますが、この絵では薄明光線を放射状に配置することで、右下に集まる構図に変化を与えています。





非現実世界を強調したかったので更に青いグラデーション(パラ)を足しました。



実展示会場では教会を舞台にしたパネルが隣にもう一枚並ぶ予定なので、色のバリエーション(差別化)が出来て良かったのではないかと思います。
まとめ
企画展【 Departure / Arrival 】



このページは開催終了した企画展【 Departure / Arrival 】の為に製作されました。



Web展示室【 Departure / Arrival 】では、このページのほかにも展示物の制作過程(メイキング)や補足情報をお届けしているので併せてお楽しみください。


音声ガイド



こちらは企画展【 Departure / Arrival 】実展示室の為に作成された音声ガイドです。