ここでは、実展示室【 Departure / Arrival 】で展示された画像の作り方と、現状の画像生成AIを用いた制作について、短編動画”Departure”の主人公2人が解説します。


パネル展示5枚目、最後のパネルです。膝まづくルカコさんですね。



今回の5枚のパネルは製作者にとって「全て思い入れがある」とのことですが。特にお気に入りの一枚だそうです。



構図も配色も滅茶苦茶です(笑)が、B1の大判パネルで見ると、熱量だけで押し込む強さがありますね。



授業では精神論禁止で技術しか教えていないのに、困った先生ですこと…笑
3DCGによる画像生成





3DCGでは要素ごとに画像を分けて生成します。
ルカコさんの画像生成









人物は上記の3点を生成しました。今回のパネルでは、すべてこの3点を出力しています。そして、AIさんに渡すときに適時使い分けています。
教会の画像生成

















背景はさらに細かく要素を分割生成します。



今回の背景要素はフルコースですね。本編動画と同程度の要素を分割して生成しています。
写実的に正しい ≠ 絵画的に正しい





こちらはすべての要素が合成された画像です。3DCGが、私たちの世界で現実に見える状態と全く同じ光(色)を正しく再現しています。



ただ、フォトリアル(写実的)な状態と、ビリーバブル(信じられる)あるいは美しいと思える状態かは別なので、派手目に強調したり、無駄な要素を排除したりして、画的に最適解を探していくことになります。



この論理は、アニメーション表現にも当てはまります。
【物理的に正しい ≠ 生理的に正しい】
等に言い換えることが出来ますね。



今回のページの重要な部分です。
是非ご自身の制作に活かしてくださいませ!





こちらが各要素を元に事前に画像編集ソフトによる調整を加えたものです。全体的にメリハリをつけました。こちらをAIさんに送ります。
AIによる画像生成







人物はトライアンドエラーはほとんどありませんでした。10枚程度でほぼ思った通りの絵を仕上げてくれました。
複数枚、生成を行い取捨選択する



5枚目まで読んで頂いたあなたにだけこっそりお伝えすると、AIさんには複数枚描いてもらいその中から1枚選んでいます。



皆さんが「ガチャを回す」と言っている行動ですね。







この2つのパラメーターが代表的なランダム要素なのですが、サイコロのアイコンがあるのが人知の及ばぬ領域であることを物語っています。





サイコロを振る感覚でAIさんに何十枚、何百枚とアイデアを出してもらい。その中から自分のイメージに合うものを選ぶという訳です。
画像編集ソフトによる調整
合成と色調補正



人物と背景を合成した後、全体的に色調を補正します。





特に難しいことはしていません。AIさんが生成してくれた内容を素直に合成後、背景と人物をなじませています。
レタッチ作業







AIさんが上手くなかった箇所を、画像編集ソフトで切り張り&修正(レタッチ)していきます。



このような作業工程を製作者が「共同作業」と表現しているのですね。実際プロの皆さんもこのような工程でAIさんと共に作業していると思われます。
現状のAIの可能性と限界を知る旅



今回の展示では、レタッチは最小限にとどめています。



製作者が今回の企画展【 Departure / Arrival 】を通して
「皆さんが画像生成AIさんの現状の可能性と限界について知り、語り合うきっかけになれば」
と考えているからです。



最後の最後に大事な話が出ましたね。



ここまで読んでくださったあなたに感謝の気持ちを込めて♡
まとめ
企画展【 Departure / Arrival 】



このページは企画展【 Departure / Arrival 】の為に製作されました。



Web展示室【 Departure / Arrival 】では、このページのほかにも展示物の制作過程(メイキング)や補足情報をお届けしているので併せてお楽しみください。


音声ガイド



こちらは開催終了した企画展【 Departure / Arrival 】実展示室の為に作成された音声ガイドです。
本編解説ページ



今回のパネルの元ネタに当たる短編動画”Departure”の説明ページです。





関連する解説ページも併せてごらんください。

