今回はAutodesk Mayaの機能「クイックリグ」を使用して、簡易的にキャラクターに骨入れと肉付けを行い、HumanIKのリグで動かします。

「クイックリグ」は短時間でキャラクターをリギング出来る便利な機能です。

リグ(リギング)とは
3Dモデルにスケルトン(人型ボーン)を適用し、スキニング(表面のメッシュをスケルトンに合わせて変形する作業)を行うことで、3Dモデルをアニメーションさせるための準備をするプロセスです。
そして、リグ(アニメーションのためのコントローラー)を作成することで、効率的にアニメーションを行うことができます。リグは、赤色や緑色、青色の線のようなもので、これを操作して3Dモデルを動かし、キーフレームを打つことでアニメーションを実現します。
キャラクターを読み込む
HumanIKのリグはTポーズを基準としています。Aポーズでもリグは作れますが腕のハンドルが垂直に定義される点ご留意ください。

今回はこちらのキャラクターモデルにリグを付けます。骨’付けも肉付けもされていない状態です。
クイックリグ設定
ウィンドウを開く


リギングメニューの スケルトン > クイックリグ
または、HumanIKウィンドウ初期状態の クイックリグツール
を選択
クイックリグウィンドウを開きます。
キャラクタの定義
左側画像がクイックリグの初期画面です。


ウィンドウ最上部右側の+ボタンをクリックします。
クイックリグとHumanIKの
キャラクタ:QuickRigCharacter1
が定義されます。
クイックリグ設定準備
今回は手動でガイドの位置を決めます。
[◎段階的]にチェックをします。

以下の段階が表示されます。この流れに沿って作業を進めます。
- 1)ジオメトリ
- 2)ガイド
- 3)ガイドのユーザ調整
- 4)スケルトンとリグの作成
- 5)スキニング
1)ジオメトリの設定
キャラクター(body)を選択し
1)ジオメトリの+ボタンを押します。

ボックス内にbodyShapeが定義されました。
2)ガイドの設定
スケルトン(人型のボーンセット)作成のためガイドの位置を設定します。

2)ガイドの[作成/更新]ボタンを押します。特に設定の変更は必要ありません。

Mayaが自動で人型の関節位置にガイドを追加してくれます。ある程度は正確ですが微調整の余地があります。

複数ビューで体の位置を確認しながら関節の位置に合わせガイドを調整します。
体の真ん中あたりを意識して移動してください。

一番下のガイドは原点(0,0,0)に(ショートカットキーXを押しっぱなしにしながら)スナップします。
3)ガイドのユーザ調整

向かって右側のガイドを調整しました。[ガイドのユーザー調整]のアイコンの、右側情報を左側にもコピーするボタンを押します。

右側の位置が左側にコピーされました(左から右へのコピーもできます)。
4)スケルトンとリグの作成
ガイドの位置に沿ってスケルトンを作成します。

▼スケルトン設定 の ☑Tスタンス補正のチェックを確認します。
4)スケルトンとリグの作成 の [作成/更新]ボタンを押します。


ガイドの位置に自動でスケルトンとコントロールリグが作成されます。
HumanIK画面上部(右側画像)
キャラクタ:QuickRigCharacter1
ソース:コントロールリグ
が設定されていることを確認できます。
5)スキニング
キャラクターの形状に添ったQuickRigCharacter1のスケルトンとコントロールリグが作成されましたが、キャラクターとスケルトンが紐づけされていません。

5)スキニング の [作成/更新]ボタンを押します。

キャラクターとスケルトンが紐づきました(スキンバインドされた状態)。
Mayaのスキンバインド機能と同様に、脇の部分などスキニングが甘い部分があります。
スキンウェイトのペイントなどで各自微調整していきましょう。
まとめ
今回はAutodesk Mayaの機能「クイックリグ」を使用して、簡易的にキャラクターに骨入れと肉付けを行い、HumanIKのリグで動かしました。
以前からある機能ですが、最終的には手動による調整が必要なので、埋もれてしまった機能の一つといえるでしょう。近年のAIの発達により精度が上がり、リギングまでを全自動で行える日が来ることを夢見て、地道に切磋琢磨していきましょう。
次回はこちらで作ったキャラクタにMixamoでモーションをリターゲットします。
