前回はUnrealEngineでパッケージ化する際に自動で生成されるバッチファイルを使い、Meta Questで.apkファイルをプレイするまでの手順を紹介しました。
今回はご自身のWindowsPC環境にMeta Quest Developer Hub(MQDH)をインストールしてMeta Questで.apkファイルをプレイするまでの手順を紹介します。
Meta Quest Developer Hub (Meta Quest開発者ハブ)の主な機能
Meta Quest Developer Hub(MQDH)とは?
Meta社が無料で提供する公式ツールで、Meta Questデバイスを使用してアプリケーションやコンテンツを開発する開発者向けのソフトウェアです。
.apkファイル(androidアプリケーション)の実行、デバッグ、パフォーマンス分析、テストなどの作業を効率化し、開発者がVRプロジェクトを管理しやすくするためのさまざまな機能を提供します。
Meta Quest Developer Hub(MQDH)の主な機能は以下のとおりです。
- デバッグに役立つデバイスログを確認する
- ヘッドセット内の表示内容のスクリーンショットをキャプチャしたり、動画を記録したりする
- コンピューターから直接ヘッドセットでアプリを実行(デプロイ)する
- ヘッドセットの表示をコンピューターにミラーリングすることによって、VR画面をシェアする
- Meta Questの最新のツールとSDKをダウンロードする
- ストア配信用にアプリをMeta Quest開発者ダッシュボードにアップロードする
- テストのワークフローを中断させないため、近接センサーと境界システムを無効にする
Meta Quest Developer Hub(MQDH)のインストール手順
公式サイトにアクセス
Meta Quest Developer Hub ダウンロードページにアクセスします。

インストーラーのダウンロード
Windows用インストーラーをダウンロードします(「Download for Windows」を選択)。

ライセンスの利用規約を読み、これに同意します。
ダウンロードをクリック
インストーラーの実行

ダウンロードしたZipファイルを解凍し、exeファイルをダブルクリックして、インストーラーを実行します。
インストール


インストールウィザードの指示に従ってインストールを完了させます。
途中、使用許諾契約書の確認が求められる場合があります。
Meta QuestをPCに接続
USB-C ケーブルを使用してMeta QuestデバイスをPCに接続します。ケーブルはMeta社純正ケーブルを推奨します。
サインイン時は開発者モードがオンの状態のMetaアカウントを使用します。

Meta Quest Linkの起動
Meta Questデバイスを装着し、デバイス側でサインインを完了するとPC側でMeta Quest Linkが起動します。

左側の「デバイス」タブをクリックします。

Meta Quest Linkで接続を確認します。
Meta Quest Developer Hub(MQDH)の起動

インストール完了後のMeta Quest Developer Hub(MQDH)を起動します。

起動直後の画面です。
Continueをクリック
Metaアカウントでログイン
ご自身の開発者用Metaアカウントでログインを行います。

Log in with a Meta accountをクリック

アカウントを指定後ログインボタンをクリックします。
規約の確認
ログインが完了すると
Meta Quest Developer Hubウィンドウが再び起動します。

上記英文の内容は以下の通りです。
以下の規約とドキュメントを確認してください
「続行」をクリックすると、別途指定がない限り、VR アプリの開発を可能にするためにここで提供される SDK、ツール、ドキュメント、およびその他の情報の使用を規定する SDK ライセンスに同意したことになります。
注: Meta アカウントを使用している場合、MQDH の使用には補足利用規約と補足プライバシー ポリシーが適用されます。Oculus アカウントを使用している場合、MQDH の使用には Oculus 利用規約とプライバシー ポリシーが適用されます。また、当社のプラットフォームおよび関連する開発者ツールを使用するすべての開発者に適用される Meta Quest 開発者ポリシーとガイドラインも確認してください。
内容を確認後Continueをクリックします。

Meta Quest Developer Hubのメイン画面に遷移します。
ADBパスの設定 (Android Debug Bridge)
Android Debug Bridge(ADB) パスの設定を行います。
Android Debug Bridge (ADB) とは?
Android アプリケーション開発を補助するデバッグツールです。
主な機能
- デバイスの列挙と接続
- アプリのインストール/アンインストール
- ファイルの転送(push/pull)
- シェルコマンドの実行
- ログの取得
- スクリーンショットの取得
- アプリのデバッグ
Meta Quest Developer Hub では、他の開発者ツールと同じ ADBを使用することが重要です。
お使いのコンピューターに既存の ADBがある場合、Meta Quest Developer Hub で使用する ADB パスを変更します。

[Settings] タブに移動し、[ADB Path]を確認
[Edit] ボタンをクリックして、ADBパスの変更ダイアログを開きます。

「Detected ADB Option」のSelect an Optionをクリックします。
例えば、開発用エンジンがUnityの場合、
[Detected ADB Clients] のプルダウンメニューから、使用しているUnityのバージョンに対応するadb.exeを選択します。

MQDHに付属のadb.EXEのパス(デフォルトの状態)
C:\Program Files\Meta Quest Developer Hub\resources\bin\adb.EXE
Unityの場合C:\Program Files\Unity\Hub\Editor\[Unityバージョン]\Editor\Data\PlaybackEngines\AndroidPlayer\SDK\platform-tools\adb.exe
UnrealEngeneの場合C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local\Android\Sdk\platform-tools\adb.exe

適切なパスを選択したら、[Restart MQDH]ボタンをクリックしてMeta Quest Developer Hubを再起動します。
この対応により、MQDHとUnityの両方で同じADBインスタンスを使用することができ、開発環境の一貫性が保たれます。また、ADBの競合による問題を回避し、Meta Quest向けのアプリケーション開発をより効率的に進めることができます。
Meta Quest Developer Hub(MQDH)をデバイスに接続
デバイスの装着
Meta QuestデバイスがUSBケーブルでPCに接続されていることを確認します。
デバイスを装着します。
デバイス側の画面でmetaアカウントでログインします。
「USBデバッグを許可しますか?」という画面が表示されます。

[Always allow from this computer (このコンピューターから常に許可)]を選択します。
デバイスとの接続

左側のDevice Managerのタブをクリックします。
「Device Set Up 」から Set Up New Deviceを選択します。
接続の確認
デバイスがアクティブな状態であれば自動でDeviceが接続されます。

お使いのMetaQuestとActiveが表示されれば接続完了です。
「 Bluetooth Not Detected 」がPC画面に表示された場合
接続の際、下記ウィンドウが表示された場合、
Meta QuestデバイスがUSBケーブルでPCに接続されていない、あるいは認識されていません。
MQDH側がBluetoothでの接続を促してきます。

Enable developer mode in the companion app
Open the companion Meta Quest app on your phone and go through the device setup flow. Then from the list of paired Meta Quest devices, tap the device you want to set up, tap More Settings > Developer Mode, and slide the toggle to turn on the developer mode.
Connect the headset to the computer
Plug in the USB-C end of your cable into your headset, then make sure to plug the other end of the cable into your computer.
Allow access inside of the headset
Put on the headset, and when prompted, allow the computer to have access to the headset.
Check device status inside MQDH
The device ID and status will show as connected and active in the Device manager tab.
Trouble connecting? See the Troubleshooting Guide
デスクトップPCなど、Bluetooth以外の環境の場合は以下を確認します。
- コンパニオン アプリで開発者モードを有効にする
お使いの携帯電話でコンパニオン Meta Quest アプリを開き、デバイスのセットアップ フローを実行します。次に、ペアリングされた Meta Quest デバイスのリストから、セットアップするデバイスをタップし、[詳細設定] > [開発者モード] をタップして、トグルをスライドして開発者モードをオンにします。 - ヘッドセットをコンピューターに接続
ケーブルの USB-C 端をヘッドセットに差し込み、ケーブルのもう一方の端をコンピューターに差し込んでください。 - ヘッドセット内部へのアクセスを許可
ヘッドセットを装着し、プロンプトが表示されたら、コンピューターがヘッドセットにアクセスできるようにします。 - MQDH 内でデバイスのステータスを確認します
デバイス ID とステータスは、[デバイス マネージャー] タブで接続済みおよびアクティブとして表示されます。
接続に問題がありますか? トラブルシューティング ガイドをご覧ください
注意点として
- USBポートが3.0以上であることを確認します。
- USB-C ケーブルがMeta社純正かお使いのデバイスと互換性のあるものを使用します。
特にケーブルがQuest未対応の場合Meta Quest Linkで接続を確認(●緑色)出来ていてもMQDHでは認識しません。
パフォーマンスアナライザーの確認
動作確認を兼ねてパフォーマンスアナライザー(Performance Analyzer)を起動します。
このウィンドウではグラフィック、CPU、メモリといったリソースの使用状況を確認できます。

画面左のタブから「Performance Analyzer」をクリックします。
画面上部の再生ボタン「▶」をクリックします。

デバイスのスクリーン画面やCPU,GPUなどの使用状況が随時モニタリングされます。
.apkファイルを実行(デプロイ)する
お待たせしました!実際にアプリケーションを実行しましょう!
ここではUnrealEngineでパッケージ化した.apkファイルを使用します。

adb.exeの選択
MQDH側のadb.exeをUnrealEngineでパッケージ化したものに変更します。

Settingタブをクリックします。
General > ADB Path の Editをクリックします。

Detected ADB ClientsのSelect an Optionタブをプルダウンして、C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local\Android\Sdk\platform-tools\adb.exe
を選択します。
.apkファイルの確認

パッケージで作成されたフォルダから.apkファイルを選択します。

MQDHのウインドウにドラッグします。
別ウインドウが表示されます
Connected Device : Meta Questにドロップします。

Device Managerタブに自動的に移動し、.apkファイルのインストールが開始するので暫く待ちます。

Appsに.apkファイルがリストアップされれば完了です。
.apkファイルの実行(デプロイ)
MetaQuestヘッドセットで.apkファイルの実行を確認します。
MQDHからの実行

右側の
ヘッドセットを装着して、アプリの起動を選択します。



MetaQuest側からの実行

MQDHで登録したアプリは、MetaQuest側から実行することもできます。
ヘッドセットを装着した後、
「 ライブラリ」アイコンをクリック。
「アプリ」セクションをクリックして
「提供元不明」を選択することで確認出来ます。
今後はこちらから実行可能です。
以上がMeta Quest Developer Hub(MQDH)のインストール方法と動作確認です。お疲れさまでした。
スクリーンショットを撮る
その他の便利機能として、MQDHでスクリーンショット画像をキャプチャーして画像を保存します。
PC側からワンクリックでデバイス側の画像のキャプチャーと保存が出来る便利な機能です。

左側のDevice Managerのタブをクリックします。
[ Device Actions ]内 Screenshotの

Screenshot Settingsウィンドウが開きます。
Both Eyesを選択後Saveをクリックします。

[ Capture ]をクリックします。

デバイス画面のスクリーン画面がキャプチャ―されます。

画像ファイルの格納場所がエクスプローラー上で確認できます。
まとめ
今回はご自身のWindowsPC環境にMeta Quest Developer Hub(MQDH)をインストールしてMeta Questで.apkファイルをプレイするまでの手順を紹介しました。
検索エンジンなどでこのページに直でいらっしゃったかたには少し説明不足の箇所があるように感じたかもしれません。その際は、過去のWebページのリンクなどをたどって確認して頂けると理解が深まると思います。
私自身もVRは研究中の分野ですので、皆様とVR世界への理解を深めていければと考えておりますので、今後もWebページ運営に関してのご指摘やアドバイスなどありましたら宜しくお願いいたします。