🔰知識ゼロからの【Substance 3D Painter】#3 UnrealEngine用のPBRテクスチャを作成する

知識ゼロからの【Substance 3D Painter】初級編後半の内容です。
Substance 3D Community Assetsのモデルに質感を追加し、UnrealEngineで使用できるPBR（フォトリアルな）テクスチャを出力します。

シンプルなモデルに質感を追加することでSubstance 3D Painterの基本を抑えることが出来ます。

初めての方はこちら

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このページは上記内容からのステップアップです。重要な箇所は説明が重複しますが、初めに２つのページのご確認をお勧めします。

Substance 3D Community Assets

Substance 3D Community Assetsのモデルを使用します。サイトに移動します。

「静的モデル」をサンプルモデルに使用して、テクスチャを作成します。

上記のシンプルなテーブルを使用します。
［ ］をクリックしてダウンロード。

Substance 3D Painterの起動

Substance 3D Painterを起動します。

モデルの読み込み

ファイル　＞　新規

画像サイズはご自身のPCのグラフィックボードの性能と相談してご自由に変更してください。今回私は質感が分かりやすく視認できるように4K(4096*4096)にしました。

テーブルが読み込まれました。

最初から２Dビューに色がついていますが今は気にしないでください。暗い（茶色い）箇所はSubstance 3D Painterが照らしている一時的なライティングが反映されているためで、出力テクスチャには影響しません。

テクスチャセットのリスト

テクスチャセットに２つリスト化されています。クリックすると2Dビューが切り替わります。
これは２つのマテリアルがアサインされており、それぞれのUVの位置が視覚化されている状態です。

上記テーブルのモデルとMayaで読み込むと２つのマテリアルを確認できます。

Substance 3D Painterでは複数のマテリアルが付いたモデルを同時にコントロールし出力が可能です。

テクスチャ名の変更

マテリアルの名前を変更します。

tablepart1→　M_Table
tablepart2→　M_Frame

メッシュマップをベイク

テクスチャを作成する準備段階として[メッシュマップをベイク]を行います。

[メッシュマップをベイク]とは？
3Dモデルのアンビエントオクルージョン（AO）、曲率（カーバチャー）、法線（ノーマル）などの詳細情報ををテクスチャ（画像）に保存することです。メッシュマップは後述する「ジェネレーター」「スマートマテリアル」を使用する際に参照する強力なマップです。
また、ハイポリゴンのモデルを読み込むことで、複雑な3Dモデルの詳細を、より簡単なモデルで再現することができます。

下記の手順で「メッシュマップをベイク」をクリックします。

ショートカットCtrl＋Shift＋BでもOK

「テクスチャのベイク」をクリック

※初級編ということで画面中央のハイポリパラメーター（ハイポリモデルを読み込んでディテールをテクスチャにベイクする強力な機能）は今回使いません。

２つのマテリアルにメッシュマップベイカーのリストに画像がベイクされました。
「ペイントモードにもどる」をクリックします。

質感の追加

「テクスチャセットのリスト」からM_Frame（足のパーツ）を選択します。
レイヤータブをクリックします。

足の部分は金属質にしていきます。
アセットのマテリアルタブに移動。検索窓に「metal]と入力します。

金属のマテリアルがヒットしました。

マテリアルの中から「Metal Galvanized」を３Dビューの足の位置にドラッグします。赤くなるのでドロップします。

２Dビュー、テクスチャレイヤーにドロップしてもOK

金属質が反映されました。

マップの確認

プロパティからテクスチャのマップの種類を確認できます。上記のマテリアルでは４種類のマップが設定できます。

特にPBRマテリアルと言われる物理的に正しい質感を出す場合はこの４枚が基本となります。

３Dビューの
ショートカットCを連打してマップの内容を確認します。
ショートカットMでもどります。

カラースペースの確認

下記パネルの「カラースペース」にチェックを入れることで、カラースペースが確認できます。
PBRマテリアルと言われる物理的に正しい質感を出す場合は重要な要素です。

新規ファイル作成時のテンプレートでPBRを選んでいれば自動的に適切な設定になりますが、指定する場所が隠れているので出し方だけは覚えておきましょう。

タイリング（繰り返し回数）の変更

現状の質感は実寸と合っていないので、タイリング（繰り返し回数）を変更します。

UV変形ーでタイリングを５に増やします。

異なる質感のレイヤーの追加

金属質の上のレイヤーに錆の質感を追加します。

アセットから「Metal Rust」をドラッグ＆ドロップ

錆の質感がレイヤーとして追加されました。

レイヤーにマスクを追加

「Metal Rust」レイヤーの上でマウス右クリック「黒のマスクを追加」します。
マスクの効果で「Metal Rust」が非表示になります。

スマートマスクの追加

アセットウィンドウのタブを「スマートマスク」に変更して「Cavity Rust」を「Metal Rust」のマスクにドラッグ＆ドロップします。

いかにもサビそうな場所に錆が浮き上がりました。

スマートマスクの調整

錆マスクの濃さは「GlobalBalance」で変更が可能です。

ジェネレーターの変更

「ジェネレーター」をクリックして、サンプルアイコンのCurvature（曲率）を選択します。

錆の質感が凸の箇所に現れました。

「ジェネレーター」を使用することで様々な箇所、模様のマスクが作成可能です。適切なものを選んで使用します。

「GlobalBalance」など、他のパラメーターも試してみてください。

色の変更

錆の色を変更します。

スマートマテリアルの追加

スマートマテリアルとは？
複数のテクスチャレイヤーとマスクを組み合わせて、3Dモデルに複雑な質感を与えるマテリアルセットです。このセットを使うことでヒビの入った表現や汚れた表現などを簡単に作ることができます。
スマートマテリアルはジェネレーターやフィルターといったエフェクトとレイヤーが含むので、使用する場合事前にマップをベイク処理する必要があります。

続いて”M_Table” のテクスチャをスマートマテリアルを使用して作成していきます。

「テクスチャセットのリスト」からM_Table（天板）を選択します。
レイヤータブをクリックします。

アセットからスマートマテリアルのアイコンをクリックします。
検索窓に”wood”と入力します。
→”wood”の候補がリストアップされます。

”Wood Beech Veined”を3Dビューの天板にドラッグ＆ドロップします。

既に完成された複雑な質感がアサインされました。

レイヤーのフォルダをクリックしてスマートマテリアルの内訳を確認します。
4つのマテリアル、１つのジェネレーターで構成されていることが分かります。

ポリゴン単位のマテリアルの変更

天板の側面の木目が合っていません。上記箇所に
ポリゴン単位で異なるスマートマテリアルをアサインしていきます。

マテリアルレイヤーの追加

スマートマテリアル”Wood Ship Hull Old”をドラッグアンドドロップします。
天板全面に”Wood Ship Hull Old”が表示されます。

「黒のマスクを追加」します。
”Wood Ship Hull Old”が非表示になります。

「ポリゴン塗りつぶし」を選択します。

ポリゴンを選択することで、マスクが白に塗りつぶされ、上のレイヤーのマテリアルが表示されます。

マスクの［表示／非表示］の切り替え

［表示／非表示］はマスクで制御しているのでマスクの色を黒に変更すれば”Wood Ship Hull Old”は非表示になります。
マスクの白黒を切り替えながら、表示する場所、非表示の場所を変更していきます。

白／黒［表示／非表示］の変更は、ショートカットキーＸで切り替え可能です。

メッシュ塗りつぶし

ポリゴンキューブのアイコンを選択します。

１クリックで、メッシュ単位での選択が可能です。３Dでの選択が便利です。

UVチャンク塗りつぶし

チェッカー模様のアイコンを選択します。

１クリックで、UVチャンク（UVシェル）単位での選択が可能です。３Dビューでの選択が便利です。

テクスチャの書き出し

下記の状態で、テクスチャファイルを描きだします。

ファイル　＞　テクスチャの書き出し

ショートカット Ctrl＋Shift＋E でもOK

出力テンプレートのカスタマイズ

出力テンプレートタブに移動していくつかの変更を加えました。

①UnrealEngine4(Packed)を複製
②名前を”UnrealEngine4(Packed)_Custom”に変更
③使用しないEmissiveテクスチャセットを消去
　ファイル名先頭の”$mesh_”を”Table_”に変更

書き出し

「設定」にもどり
出力テンプレートを”UnrealEngine4(Packed)_Custom”に変更
「書き出し」をクリックします。

出力結果の確認

「保存先ディレクトリを開く」をクリックします。

2マテリアル3種類、計6枚のテクスチャの出力が確認できました。
「設定を保存」でウィンドウを閉じます。

.sppファイルを保存して終了します。

作成したテクスチャをUnrealEngineで読み込む方法

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今回使用したモデル、作成したテクスチャをUnrealEngineに読み込んで再現する方法です。併せてごらんください。

まとめ

Substance 3D Community Assetsのモデルに質感を追加し、UnrealEngineで使用できるPBR（フォトリアルな）テクスチャを出力しました。

シンプルなオブジェクトを使用しての解説でしたが、上記方法から自己学習を広げることで多岐にわたる応用が可能になるはずです。これでSubstance 3D Painterの基本は抑えることが出来ました。皆さんが更にご自身の制作物の質を高め、良い作品が作れることを願っています。