🔰知識ゼロからの【Unreal Engine 5】＃1 草原を作成する

本ガイドは、Unreal Engineをこれから始める初心者さんを主な対象としています。
※このページはバージョン5.0.3を使用しています。

今回のゴールは、オープンワールド風の草原の背景を作成していきます。

Unreal Engine 5 の準備

Unreal Engine 5について知りたい人、インストールがまだの人は以下のページを参考にしてください。

あわせて読みたい

【Unreal Engine 5】インストール方法（2025年3月最新版） 本ガイドは、Unreal Engineをこれから始める初心者さんを主な対象としています。今回はWindows環境でUnreal Engine 5を始めるための、インストールガイドを提供します。…

Unreal Engine 5 を起動

　デスクトップのEpic Games Launcherアイコンをクリックします。

Epic Games Launcherサインイン

ご自身のアカウント（メールアドレス）を入力します。

サインアップ時設定したパスワードを入力して「サインイン」

①UnrealEngineをクリック
②「ライブラリ」をクリック
③インストール済みのバージョンに「起動」ボタンがあるのでクリック

Unreal Engine5起動中の画面です。

プロジェクトの新規作成

プロジェクト設定画面です。今回は、以下のプロジェクトを新規で作成します。

ゲーム（右側）をクリック
Blankを選択します。
プロジェクトの場所：UnrealEngineのプロジェクトは容量が必要になります。Cドライブ以外のドライブがあればそちらを設定することをお勧めします。
スターターコンテンツ：無料で自由に使えるUnrealEngineのおまけアセットです。今回こちらを使うのでチェックを入れてください。
プロジェクト名：誤作動を避けるため1バイト文字（英文字）のみ、記号なしで書きます。
作成を選択します。

Unreal Engine5が新しいプロジェクトを作成します。

無事プロジェクトが作成されました。画面の家具はBlankプロジェクトに最初から準備されているモノ（アセット）です。

バージョン5.3以降の場合
下記のような画面となります。既にOpen World（後述）レベルが読み込まれている状態です。そのまま作業を進めてもらって構いません。

新規レベルを作成する

ファイル＞新規レベル

Open Worldを選択
作成

チェッカー模様の広大なマップ（レベル）が現れました。

地形(ランドスケープ）を選択する

アウトライナータブ

右側の「アウトライナー」タブに注目してください。ウインドウが小さい場合は下のウィンドウ境界周辺ににマウスを置き、カーソルが に変化したら下にドラッグしてください。ウィンドウの縦幅が広がります。

「LandScape」が地形オブジェクトです。
左の▸を押すと、子階層に隠れていた地形パーツが現れます。

手前右側の地形をマウスでクリックします。
アウトラインがオレンジになり、アウトライナーのLandscapeStreamingProxy_3_4_0がハイライト化されました。
これが、オブジェクトが選択された状態です。

選択＞すべてを選択
をクリックします。

LandScapeオブジェクトのすべてが選択されました。

地形にマテリアルを適応

「アウトライナー」タブ下の「詳細」タブをクリック。下にスクロールします。

詳細パネルはアセットの属性やパラメーターなどの細かい設定をするパネルです。

ランドスケープ＞ランドスケープマテリアル
 をクリックします。

バージョン5.3.2の場合
☑ランドスケープマテリアル（親ランドスケープのプロパティをオーバーライド）
にチェックを入れるとマテリアルが変更可能になります。

＞プルダウン＆検索メニューが現れます。

検索ウィンドウに「grass」と入力します。
UnrealEngineが予め用意したスターターコンテンツのアセットの中からM_ground＿Grassというマテリアルが検索にヒットするので選択します。

”M_”はUnreal Engine上でこのアセットがマテリアルであることを伝える命名規則です。他にも”SM_”,”BP_”などアセットの種類を示す命名規則があります。今後膨大なアセットを管理する場合、特にグループワークを行う場合、命名規則は重要になります。

チェッカー模様だった地面が芝目にかわりました。

レベルの保存

Unreal Engineは強制終了することが良くありますので頻繁に保存することをお勧めします。

名前を付けて現行レベルを保存

レベルの保存を行います。一般的なソフトと同様にCTRL+Sのショートカットキーで保存が行えます。
初回の保存では、レベルに任意の名前を付けたいので以下の手順を行います。

ファイル　＞　名前を付けて原稿レベルを保存
ショートカットキーはCTRL+ALT+S

任意の名前を付けたのちに保存してください。

最初の保存では少し時間がかかります。

すべて保存

Unreal Engineは保存の際に、レベルとアセットを分けて保存します。つまり上記の方法ではアセットの変更内容は保存されません。レベルとアセットの両方を保存する方法は以下の通りです。

ファイル　＞　すべて保存
ショートカットキーはCTRL+SHIFT+S
特別な理由がない限りは、こちらでの保存をお勧めします。

オートセーブ機能

UnrealEngineにはオートセーブ（自動保存）の機能がデフォルトで機能しています

ですが、オートセーブは稀に正常に読み込めない時もあります。
マメにご自身でセーブすることをお勧めします。

ビューポートカメラの操作方法

今から地形をスカルプトして変形していきますが、その前にビューポートカメラの操作方法です。

カメラ速度

ビューポート右上のカメラアイコンをクリックするとカメラ速度を変えるスライダーが出ます。

ランドスケープが大きい場合や、より早く動きたい場合に有効です。

ランドスケープ(LandScape)について知る

「ランドスケープ」に切り替える

「選択モード」をクリックしてプルダウンメニューから「ランドスケープ」を選択します。

左側に「ランドスケープ」タブが表示されます。「ランドスケープ」タブ直下のモードが、真ん中の「スカルプト」になっていることをご確認ください。ビューポートにマウスカーソルを置くと大きなブラシアイコンが現れます。

「ランドスケープ」タブの説明

以下にタブの説明を行います。

ブラシツール

ブラシの種類を選択できます。

ランドスケープエディタ

ブラシの起伏の状態を変更できます。

ブラシフォールオフ

凸部分のエッジの立ち方に特徴があります。

ツール設定

強度（ブラシのかかる強さ）を設定できます。

ツールの強度

押しだす’（凹む）強さです。

ブラシ設定

ブラシサイズ（大きさ）と境界のボケ具合を指定します。Cray Brushは粘土を付けて行くような感覚で形状が変化します。

ブラシサイズ

ブラシが影響する範囲です

ブラシフォールオフ

中心部から外側への衰率です。

ターゲットレイヤー

通常は一つですが、複雑な形状を作る場合スカルプト情報を何層もレイヤーとして持つことが出来ます（今回は使用しません）。

ランドスケープをスカルプトする

ランドスケープのスカルプトモードであることを確認します。

基本的な使い方

ブラシツールのボタンがたくさんあり、混乱しますが、最初のうちは

・ブラシサイズでブラシの大きさを変える。
スカルプトボタンを押して
・ビューポートでマウスドラッグ→山が出来る
・Shift＋マウスドラッグ→谷が出来る
スムーズボタンを押して
・マウスドラッグ→起伏が馴染む

という流れで形状をまとめていけば問題ありません。

まずは動作に慣れましょう。、

遠景の山と馴染むように手前の平面に起伏を作ってみてください。

ツールの終了

ランドスケープ終了後は「選択ツール」に戻ります。

Quixel Bridgeを使用する

Quixel Bridgeを起動する

画面右上 +のアイコンからQuixel Bridgeを選択します。

ウィンドウ＞Quixel Bridge
を選択します。

サインイン

Quixel BridgeはUnrealEngineとは別扱いのソフトなので、最初にサインインします（サインインしないとアセットをダウンロードできません）。

メールアドレス、パスワードが要求される場合は、入力してください。
サインインをクリックします。

セキュリティコードを求められた場合、送信されたメールから６桁のコードを確認して入力します。

人型のアイコンをクリックして、ご自身のメールアドレスが表示されればOKです。

3Dアセットを選択する

検索ウィンドウで「grass」と入力してEnterキーを押してください。

検索結果から3Dアセット（オブジェクトをUEで3Dアセットといいます）GRASSY EMBANKMENTをクリックします。

クオリティを選ぶことも出来ます。今回はMedium（中間）のまま使います。

3Dアセットを配置する

GRASSY EMBANKMENTアイコンをビューポートにそのままドラッグ＆ドロップします。

ダウンロードに時間が掛かります。徐々にアセットの形状が整っていきますので暫く待ちましょう。

ドラッグ＆ドロップが出来ない場合、サインインを行います。

3Dアセットのトランスフォーム

追加したオブジェクト（UEではアセットと言います）をトランスフォームして、自由に配置できます。トランスフォームの方法はビューポートの上部アイコンで指定することが出来ます。

左から順に、[選択]、[移動]、[回転]、[拡大縮小]になります。クリックするとハンドルが変更します。

ショートカットキーが使えます。Mayaと同じ配列なのでこちらをお勧めします。

Endキーを押すと選択したアセットがランドスケープ（地面）真上の位置に移動します。
地面にモノを置く際に便利です。

トランスフォームのスナップ

ビューポート右上にそれぞれのトランスフォームのスナップ（指定した単位ごとにトランスフォームする）機能があります。
右から移動、回転、拡縮です。アイコンが青く点灯しているときスナップが効きます。数値をクリックすることでスナップする間隔を変更します。デフォルトはONです。

ワールド座標とローカル座標の変更

画像上部（赤枠の個所）のアイコンをクリックすることで座標軸をワールド座標 / ローカル座標を変更することが出来ます。

3Dアセットの複製

Ctrl＋Dで複製が出来ます。
複製直後は見た目は変わりません。2つのアセットが重なって表示されるためです。アセットを移動させると複製が確認できます。

Altキーを押しながらオブジェクトを移動させることでも同様に複製が出来ます。

フォリッジ(Folidge)を使用する

ふたたびQuixel Bridgeを使用して、今度は草花や木のアセットである3D_plantsを選択します。
ブラシで植生を追加するフォリッジ(Folidge)の機能を使い、ランドスケープに花を植えていきます。

「Quixel Bridge」3D_plantsを選択する

検索結果より「CottonGrass」を選択します。
（私は既にダウンロード済なので緑色の✓がついています。

右下のDownLoadボタンを押すとダウンロードが開始されます。

フォリッジモードを選択

「選択モード」を「フォリッジ」に変更します。

フォリッジを追加

「CottonGrass」を選択した状態で、
フォリッジタイプを追加のエリア（＋ここにフォリッジをドロップ）にドラッグ＆ドロップします。

フォリッジアセットを保存する場所として、「3D_Plants」を選択します。

フォリッジが追加されました。

フォリッジのペイント

ペイントするフォリッジを選択します。

すべてのフォリッジを選択した状態で✓を入れます。
✓を入れたフォリッジがペイントされます。

UnrealEngineの選択方法はWindowsのエクスプローラーのルールに則っています。
連続選択はShiftキーを押しながら行えます。

ペイントアイコンを選択した後、ビューポートでペイント(マウスドラッグ）します。

地形（ランドスケープ）に沿って3D_Plantsが生えてきました。
ブラシサイズでブラシ（半球）の大きさを変更できます。

フォリッジの消去

必要のないフォリッジはブラシを使い消去できます。

消去アイコンを選択します。

ペイントボタンを使用している場合、Shiftキーを押しっぱなしにしている間、消去モードになります。

ペイントと同じ要領でビューポートでマウスドラッグしてください。
消去密度の数値で消去する密度を変えられます。（0.0で完全消去する、1.0は全く消去しない）

選択・解除によるフィルタリング

UnrealEngineの選択方法はWindowsのエクスプローラーのルールに則っています。
飛び地選択はCtrlキーを押しながら行えます。

3Dアセットのチェックボックスは個別で管理できます。

アイコン内の数字はビューポートに生成された植生の数です（kは*1,000）。

個別に選択・解除しながら「ペイント」「消去」ボタンを切り替え、植生の種類に変化をつけることができます。

Density で密度を変更できます。
Scale X で　大きさにランダム感を与えることが出来ます。

自由に描き進めてください。

ツールの終了

ランドスケープ終了後は「選択ツール」に戻ります。

上記手順による背景制作事例

上記の手順で作られた背景画像を生成AIに読み込ませ、イラストの背景に用いた事例を紹介するページです。
イラストは企画展【 Departure / Arrival 】にてパネル展示されました。

背景制作事例

Web展示室【 Departure / Arrival 】画像生成AI / パネル解説 #3 | AICG Seminar | For Students Starting … ここでは、実展示室【 Departure / Arrival 】で展示された画像の作り方を、製作者のAIとの接し方についても交えながら解説します。 パネル展示中央に位置するこの画は本編…

まとめ

　今回は、Unreal Engineをこれから始める初心者さんのために、
Unreal Engine 5で最初に何かを作るTipsとして、草原を作りながら、以下について学びました。

次回は作成した背景を連番画像（動画素材）にする工程を紹介します。

次回

🔰知識ゼロからの【Unreal Engine 5】＃2 シーケンサーで動画を作成する Unreal Engine 5の2回目です。今回はカメラが地形を移動する所謂ウォークスルー型の動画を作成します。Unreal Engine はゲームを制作するソフトですが、近年では映像制…