
今回はMixamoのモーションデータをUnrealEngine のデフォルトモデル”SKM_Manny”にリターゲットする方法を解説します。

手順が簡略化されたUnrealEngine5.4のリターゲット
※このページではバージョン5.4.0を使用しています。
UnrealEngineが5.4にバージョンアップされ、リターゲットの方法が簡略化されました。Mixamoなどの外部サイトのスケルトンのボーン構造を自動で認識することで従来のIK_Rigによる紐づけの必要がなくなり大幅な時間短縮が見込めます。
Mixamoによるモデルデータ、モーションデータのダウンロード

Mixamoのサイトにログインします。

モーション(モデル)の指定
リターゲット元となるモーションを選定します。左側のサンプルからお好みでモーションをクリックして指定します。
MixamoのデフォルトモデルがUnrealEngineのデフォルトモデル(Manny)と似ていて紛らわしいので、今回は視認しやすいようにキャラクターも変更しました。
キャラクタの画面は左上の「Charactors」タブで変更できます。


ダウンロード

①DOWNLOADボタンで上記内容をローカル環境にダウンロードします。
②そのままの状態でDOWNLOADを実行します。今回はスキン(キャラクタ)も読み込むのでDOWNLOAD SETTINGSの変更の必要はありません。
名前の変更

ダウンロードした.fbxファイルの名前を”SK_Mixamo”に変更します。
UnrealEngineに複数のファイルが読み込まれる為、この時点で分かりやすい名前にリネームしておきます。
UnrealEngine5.4起動
UnrealEngine5.4を起動します。
新規プロジェクトを作成します。

今回はデフォルトモデル(Manny)をリターゲット先として使いたいので「サードパーソン」を指定します。
プロジェクト名は”Retarget”としました。
作成をクリックします。
レベルとフォルダの作成
レベルを保存
最初にレベルを作成しておきます。現状のバージョンのUnrealEngineがまだ安定していません。
クラッシュに備える為、マメに「すべて保存」を行います。


MyAssetsフォルダ作成
Mixamoのデータを格納するためのフォルダを作成します。
コンテンツブラウザ左上の「+追加」をクリックします。

コンテンツフォルダ直下に新規フォルダを作成。

名前を”MyAssets”に変更します。
ターゲットキャラクタの読み込み
作成したMyAssetsフォルダにMixamoからダウンロードしたファイルをインポートします。
コンテンツブラウザを開きます。

①MyAssetsフォルダに移動します。
② インポートボタンを押します。

SK_Target.fbx(Mixamoのデータ)を選択
「開く」をクリック

Skeletal Mesh ☑
Import Animation ☑
☑を確認して「全てインポート」

全てのファイルが読み込まれました。
スケルタルメッシュの構成
初心者の皆様は見慣れないファイルがたくさん読み込まれて戸惑ったかもしれないので、スケルタルメッシュの構成について少しだけ説明します。ボーンの付いたモデルやアニメーションファイルを読み込んだ場合、UnrealEngineで使用するファイルが複数読み込まれます。
- スケルタルメッシュ: ボーンにバインドされたメッシュ。キャラクターなどをアニメートします。
- アニメーションシーケンス: シーケンサーで作成。キーフレームアニメーションやパラメーターの変更などを行います。
- 物理アセット: 物理的なシミュレーションに使用。物理エディタで物理ボディを作成します。
- スケルトン: スケルタルメッシュの動きを制御するボーンの階層。
アニメーションの付いたファイルの場合は上記4つが確認出来れば今は気にしなくてOKです。
Mixamoモーションの確認

コンテンツブラウザよりアニメーションシーケンス:「SK_Mixamo_Anim」アイコンをダブルクリックします。

Mixamoで指定したモーションが自動再生されます。UnrealEngine上でアニメーションが確認できました。
リターゲット
再びコンテンツブラウザよりアニメーションシーケンス:「SK_Mixamo_Anim」アイコンを確認します。

①マウスを右クリック
②アニメーションをリターゲット
リターゲットウィンドウ

- ▽ソース
リターゲット元のスケルタルメッシュ(今回は”SK_Mixamo”) - ▽ターゲット
リターゲット先のスケルタルメッシュ
① ターゲットスケルタルメッシュのボックスをクリックします
② ”SKM_Manny”(UnrealEngineのデフォルトキャラモデル)に指定します。
ビューポートにSK_MixamoとSKM_Mannyが2体、並んで表示されます。

エクスポート
SK_Mixamo_Animをダブルクリックします。
自動でアニメーションがSKM_Mannyにリターゲットされました。

アニメーションがリターゲットされた状態のSKM_Mannyを保存します。
「アニメーションをエクスポート」をクリックします。

SKM_Mannyを保存するフォルダを指定します。
今回は特に名称変更を行わず、「エクスポート」をクリックします。

上書きの可否の指定です。そのまま「エクスポート」をクリックします。

”SK_Mixamo_Anim1”(右側)が出力されました。
”SK_Mixamo_Anim”のモーションを”SKM_Manny”にリターゲットしたアニメーションシーケンスです。

”SK_Mixamo_Anim1”をビューポートにドラッグアンドドロップして、再生ボタンを押すことでアニメーションを確認することが出来ます。
まとめ
今回はMixamoのモーションデータをUnrealEngine のデフォルトモデル”SKM_Manny”にリターゲットする方法を解説しました。
- Mixamoによるモデルデータ、モーションデータのダウンロードを行いました。
- UnrealEngine5.4でキャラクタを読み込みました。
- MixamoモーションをUnrealEngineのデフォルトモデルにリターゲットしました。
バージョン5.4で従来のIK_Rigによる紐づけの必要がなくなり、より効率的な作業が可能になりました。なお、Mixamoの他にもMetaHuman,MoveAI,Xsense,Daz3D,CharactorCreatorといった一般的なスケルトンタイプに対応しているので、様々なモーションファイルをUnrealEngine上で試すきっかけになるかもしれません。
皆さんも是非UnrealEngineの強力なリターゲット機能をご自身の制作にご活用ください。
次回は今回の逆パターンで、MixamoキャラクターをUnrealEngineのプレイヤーキャラに変更する方法について解説します。
