🔰知識ゼロからの【Unreal Engine 5】#6 スタティックメッシュにPBRマテリアルを適用する

今回はUnreal Engineでマテリアルを作成してメッシュに適用します。テクスチャはSubstance 3D Painterで作成したものを使用します。PBRマテリアルの作成方法、マスターマテリアルとマテリアルインスタンスについて説明します。

このページは下記ページの後編になりますので、記事内容をご確認の上、本ページを読むことをお勧めいたします。

PBRテクスチャの作成方法

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【Unreal Engine 5】プロジェクトの作成

カテゴリー「ゲーム」から「ブランク」を指定します。「プロジェクト名」を指定して「作成」をクリックします。

プロジェクトが起動しました。

アセットの読み込み

スタティックメッシュのインポート

前回使用した机のモデルとスタティックメッシュとしてインポートします。

コンテンツブラウザより
[ インポート]
をクリック
前回テクスチャを作成する際に使用したtable.fbxを読み込みます。

FBXインポートオプション

「▼メッシュ」タブ
Build Naniteに☑を入れます。

「▼詳細設定」
タブを開き
Combine Meshesに☑を入れます。
ノードが複数に分かれていたり、マテリアルが複数あるメッシュを1メッシュに結合して読み込みます。

スタティックメッシュ１つ、マテリアル2つが読み込まれました。

テクスチャの読み込み

Substance 3D Painterで作成したテクスチャをコンテンツブラウザにドラッグ＆ドロップします。

6枚のテクスチャが読み込まれました。

テクスチャの設定確認

圧縮設定とsRGBを以下の状態にします。

BaseColor
　圧縮設定：Default　sRGB：☑
Normal
　圧縮設定：Normalmap　sRGB：☐
OcclusionRoughnessMetallic
　圧縮設定：Default　sRGB：☐

スタティックメッシュをビューポート上で確認

スタティックメッシュ”table”をビューポート上にドラッグ＆ドロップします。

ショートカットFキーでフォーカス（画面中央に）表示させます。

スタティックメッシュの名称変更

名前を”SM_table”に変更します。

”SM_”はスタティックメッシュであることを示す命名規則です。

マテリアルの作成

コンテンツブラウザより
「＋追加」　＞　マテリアル
名前を”M_frame”に変更します。

”M_”はマテリアルであることを示す命名規則です。

テクスチャの読み込み

”M_frame”をダブルクリックして、マテリアルグラフを開きます。

コンテンツブラウザから”M_frame”に紐づく3種類のテクスチャをマテリアルグラフにドラッグ＆ドロップします。

テクスチャの接続

3種類のテクスチャを画像のように結線します。

BaseColor
　RGB●→●ベースカラー
Normal
　RGB●→●ノーマル
OcclusionRoughnessMetallic
　G●→●ラフネス
　B●→●メタリック

結線後”OcclusionRoughnessMetallic”にエラーが出ます。

詳細パネルのSample Typeを”LinerColor”にするとエラーが消えます。

適用

最後に「適用」をクリックします。

変更が保存されマテリアルに反映されます。

メッシュに適用

コンテンツブラウザに戻ってスタティックメッシュ”SM_table”をダブルクリックして詳細パネルを開きます

フレームに金属のマテリアルが適用されました。

マテリアルインスタンスの作成

天板のマテリアルはマテリアルインスタンスを使用します。

マスターマテリアルの変更

マテリアルインスタンスを作成する前に、元のマテリアル（マスターマテリアル）に変更を加えます。
今回は先ほど作成した”M_frame”がマスターマテリアルになります。

マスターマテリアルである”M_frame”の詳細パネルを開きます。

テクスチャを「パラメータに変換」

BaseColorテクスチャの上で右クリック　＞　パラメーターに変換

名前を要求されるので
BaseColor_Tex
と入力します。

他の２つのテクスチャも同様に
右クリック　＞　パラメーターに変換

それぞれ
OcclusionRoughnessMetallic_Tex
Normal_Tex
とパラメーター名を追加します。

マテリアルインスタンスを作成

”M_frame”を右クリック　＞　マテリアルインスタンスを作成

”M_frame”を右クリック　＞　マテリアルインスタンスを作成
”M_frame”を元（マスター）マテリアルとするマテリアルインスタンスが作成されます。

マテリアルインスタンスの名称変更

名前をに変更します。

”MI_”はマテリアルインスタンスであることを示す命名規則です。

マテリアルインスタンスの適用

マテリアルインスタンス”MI_board”を”SM_table”の天板のメッシュ（ピンク）にドラッグ＆ドロップで適応します。

マテリアルはメッシュにドラッグ＆ドロップで適応可能です。

天板にマテリアルインスタンス”MI_board”が適用されました。
しかしテクスチャは元のマテリアル（マスターマテリアル）”M_frame”と同じ状態です。

マテリアルのノード（結線）を追加せず、”MI_board”のテクスチャのみを変更します。

テクスチャの変更

マテリアルインスタンス”MI_board”をダブルクリックして詳細パネルを開きます。

▼Global Texture Parameter Values
を開きます。
「パラメーターに変換」で設定した名前があるので全てに☑を入れて変更可能な状態にします。

“BaseColor_Tex”
のボックスに天板のBaseColorテクスチャをドラッグ＆ドロップします。
“OcclusionRoughnessMetallic_Tex”
“Normal_Tex”
にも同様にテクスチャをドラッグ＆ドロップして変更します。

テクスチャの確認

ビューポートで結果を確認します。

「適用」をクリックすることなくリアルタイムにテクスチャ変更の結果が反映されています。

マテリアルの調整ノードの作成

マスターマテリアル”M_frame”にノードを加え、マテリアルの微調整を行えるようにします。ちょっとした調整のためにSubstance3DPainterに戻る必要がないので便利です。

色の掛け算を行うノード

Constant３ベクターノードの追加

3つの定数を入力するノードです。それぞれをRGBに当てはめることで色情報を出力できます。

3を押しながらマウス左クリック
Constant３ベクターノードが追加されます。

Multiplyノードの追加

掛け算を行うノードです。

ベースカラーに結線

Constant３ベクターノードとBaseColorテクスチャを掛け算するように結線します。画像を参考につなぎ直してください。

結果は黒くなります。0.0を掛け算したので結果は黒です。

Constant３ベクターの値を（1.0,1.0,1.0）白にすることで元のテクスチャの色に戻りました。

Constant３ベクターノードのボックスに1.0以上の数値を入力することで更に明るくすることも出来ます。

Constant３ベクターの値を変更することで色を掛け算できます。

ノードを扱うヒント（色の足し算を行うノード）

UnrealEngineには様々なノードがあり、四則演算（加減乗除）のほかにもいろいろな計算が出来ます。

画像は足し算（Add）を使うことで色を明るくするノードです。
このように自由な発想でノードをつなげていきます。

ノーマルの強さを調整するノード

FlattenNormalノードの追加

マウスを右クリック→FlattenNormalと入力します。

FlattenNormalノードが表示されます。

Constant1ベクターノードの追加

1を押しながらマウス左クリック
Constant1ベクターノードが追加されます。

ノーマルに結線

Constant１ベクターノードとNormalマップテクスチャをFlattenNormalノードに結線します。画像を参考につなぎ直してください。

ノーマルマップの強度のルール（FlattenNormal）

1.0がフラットな状態
0.0がnormal画像と同じ強度
マイナスの値が増えるほど強くなります。

【演習】ラフネスとメタリックを調整するノードを作成する

上記のノードを組み合わせてラフネスとメタリックを調整するノードを結線しましょう。
2つのノードは白黒情報なのでConstant1ベクターノードをMultiplyノードで掛け算すれば作成できます。

パラメータをマテリアルインスタンスに引き継ぐ

微調整が可能になった４つのパラメータをマテリアルインスタンスでも調整できるように「パラメーターに変換」していきます。

パラメーターに変換

BaseColorのConstant３ベクターノードを
マウス右クリック　→　「パラメーターに変換」
名前を　”Color_Value”に変更します。

値はマテリアルインスタンスの初期値として引き継がれるので、デフォルト（1.0,1.0,1.0）白にすることをお勧めします。

他の3つのノードも同様に
マウス右クリック　→　「パラメーターに変換」
名前を其々　”Metalic_Value”　”Roughness_Value”　”Normal_Value”に変更します。

終了しましたら「適用」してマスターマテリアルのマテリアルエディターを閉じます。

パラメーターの確認

マテリアルインスタンス”MI_board”をダブルクリックして詳細パネルを開きます。

▼Global Scaler Parameter Values
▼Global Vector Parameter Values
を開きます。
「パラメーターに変換」で設定した名前があるのを確認します。
適時調整が必要な箇所に☑を入れて変更を行うことが出来ます。

変更した値をリアルタイムに確認可能です。

まとめ

今回はSubstance 3D Painterで作成したテクスチャ使い、Unreal Engineでスタティックメッシュに適用しました。マスターマテリアルとインスタンスマテリアルの作成方法、ノードのつなぎ方やパラメータの引継ぎ方法について学びました。

スタティックメッシュは背景を作成する際の基本メッシュとなります。今回のメッシュはシンプルなものでしたが、複雑な背景制作も煎じ詰めるとこの工程で事足ります。
企画展【Departure/Arrival】でVR展示された教会も全てこのプロセスによって製作されました。

このページが皆さんの素晴らしい背景制作の一助となれば幸いです。