Unreal Engine 5.6では、MetaHuman Creatorがエンジン内に統合され、ネットワーク環境(Webアプリ)不要でキャラクター制作が可能になりました。今回から始めてMetaHuman を使用する初心者を対象に、複数回にわたりMetaHuman の使い方の基本から応用について紹介します。
第一回は、Unreal Engine 5.6のMetaHuman Creatorのインスト―ル方法と、MetaHuman Characterのキャラメイク機能を使って、セミリアルなデフォルメキャラクターを作る方法を紹介します。

MetaHumanで作るキャラクター、リアルすぎてちょっと使いづらい…と思ったことはありませんか?本記事では、Unreal Engine 5.6のMetaHuman Creatorを使って、普段使いが出来るようなセミリアルキャラクターを造形する方法を紹介します。
セミリアルとは?
「写実」と「デフォルメ」の中間的スタイルを持つキャラクターデザインのことです。
完全なリアルではないが、リアルさをある程度保ちつつ、意図的にキャラ性や魅力を誇張した表現がなされています。
スクウェア・エニックス社の『ファイナルファンタジー』シリーズや映画『アリータ:バトル・エンジェル』の主人公キャラなどが代表的な例で、フォトリアルな質感でデフォルメされたキャラを扱う際に、現実と非現実の要素を兼ね備えたバランスで使用されます。


インストールと起動
新しいMetaHuman Creatorを使用するためには、Unreal Engine5.6が必要です。事前にインストールを行います。
MetaHuman Core Dataとプラグインを有効にする

UE5.6をインストール(あるいはアップデート)するとき、
必ず”MetaHuman Creator Core Data”を選択してください。
これはプリセットやグルームなど必須データを含みます。

プラグインの有効化
UE5.6を起動後、プラグインを有効にします。

- Menu:Edit > Plugins>

“MetaHuman Creator” を検索・有効にする(Beta版であることの注意喚起が表示されます)。
→ 表示される「Restart」に従いエディターを再起動 。
作業用フォルダの作成

再起動後、新しい作業フォルダを作成し、移動します。
MetaHuman Characterアセットを作成する

- コンテンツブラウザの空欄部分で
右クリック > MetaHuman > MetaHuman Character

→ 新しいMetaHuman Creatorアセットが作成されます。
今回は”MHC_Test”という名前に変更します。

”MHC_Test”をダブルクリックします。MetaHuman Creatorエディタが開きます。

MetaHuman Character の画面が開きます。
Blend

- プリセット(Presets)を選択します。

→ 顔や髪型など基本ベースが自動的に適用されます 。
プリセットにご自身のイメージするキャラクターに近いモデルがある場合はこちらを最初に適応して微調整することをお勧めします。
プリセットによるブレンド
プリセットからお気に入りの3体をセレクトし、パーツごとにブレンドすることが出来ます。

①Headアイコンを選択します。
②Blendを選択します。
③3つのスロットがあります。下部分▼All Assetsには、先ほどプリセットで確認したキャラクターがリスト化されています。

プリセットからお気に入りの3体のキャラクターをドラッグ&ドロップで選択します。3つのスロットに設定できます。

3体のプリセットを設定した後に、顔のパーツ(今回は額)の丸いハンドルをクリック&ドラッグします。

各パーツごとに3体のモデルの形状にブレンドしながら近づけることが出来ます。
Transform:大まかな形状変更
最初にパーツごとに大まかな調整を行います。

Head > Transform
を選択します。
ハンドルに関わるアイコンが表示されます。
画面中央の顔オブジェクトに点在する◎アイコンをクリック&ドラッグすることで、各部位の形状変更を行います。

左から
Screen Space :画面位置からの移動
Translate:矢印ハンドルを使用した移動
Rotate:回転
Uniform Scale:拡大縮小
デフォルメ調の顔に変更するためのコツ

フォトリアルな顔をデフォルメ調に変更する際のコツとしては、
頭の上部に行く毎にパーツを大きく、
あごに向かってパーツを小さくしていきます。

あごを小さくしてラインをシャープにします。

Uniform Scaleで鼻と口のパーツを縮小します。

Translateツールで目、鼻、口のパーツを下げます。

Uniform Scaleで目のパーツを大きくします。
Sclupt:細かい形状の調整
右上のボタンをTransformからScluptに変更します。

ハンドルの数が増え、さらに細かい形状の変更が可能となります。

さらに微調整を加えていきます。
顔テクスチャの追加
顔にテクスチャ画像を付加します。

DownLoad Texture Sourceをクリックしテクスチャサイズを選択します。
今回は動作の快適さを優先し Download 2K Resolution Textures を選択しました。

表示タブのTopology を Skinに変更します。

ダウンロードされたテクスチャが表示されました。
肌の色の変更
今回のキャラクターはアジア人を想定しているので肌の色を若干上げていきます。

①Materialを選択
②Skinを選択
③
肌のテクスチャの変更
顔のテクスチャにはバリエーションがあり、変更が可能です。

Face Texture Indexの番号を変更するとテクスチャが変わります。
テクスチャは153あり、皺やそばかすの追加など、大胆な変更が可能です。
毛の追加
Hair &Clothing
毛と服に関する設定を行います。
Hair &Clothingボタンで、毛と服の追加が可能です。
服はプリセットの数が未だ充実していないので、今回は割愛し、髪の毛のみ説明します。

MetaHumanキャラクターのヘアスタイルや衣装を切り替えるためのパネルです。
ヘアスロット:
- Hair(髪)、プリセットモデルの髪形をパーツ単位で設定します。
- Eyebrows(眉毛)、プリセットモデルの眉毛をパーツ単位で設定します。
- Eyelashes(まつ毛)
- Mustache(口ひげ)
- Beard(あごひげ)
- Peach fuzz(産毛)

左側の✓アイコンはダウンロードが完了している状態です。

右側の服の形のアイコンは表示/非表示を表します。もう一度ダブルクリックすると非表示となります。
グラフィックボードの性能に伴う警告
「Video memory has been exhausted(ビデオメモリが不足しました)」というエラーは、
GPUのVRAM(ビデオメモリ)使用量が上限に達した場合に表示される、
Unreal Engine(UE5)やMetaHuman Creatorでよく見られるエラーです。
特にMetaHumanは髪や衣装に大量のGPUリソースを使用するため、重たい処理が集中すると起きやすくなります。

表示解像度が高いとGPU負荷が上がります。
対処法1. 表示クオリティを下げる
MetaHuman Creator内の画面右上のアイコン「Rendering Quality」
Epic

表示解像度が下がり、GPU負荷が軽減されます。
対処法2. Hair Cardsを使用する
MetaHumanの髪型はデフォルトで**Groom(高精度の毛束システム)**を使用しています。
これを**Hair Cards(板ポリ)**に変更することで軽量化できます。

MetaHuman Creator内の「LEVEL OF DETAIL」タブで
MetaHumanエディタ上部のLODドロップダウンから
Always Use Hair Cardsを選択(髪の毛を板ポリゴンで表示)
→ Groomではなく、カード型の髪が適用されます
髪の毛の色の調整
今回はアジア人の顔立ちを想定しているので、髪の毛の色を濃くします。
Hair &Clothing > Details

Grooms
Medium Natural Eyebrows(Eyebrows)
Medium Slight Curl(Eyelashes)
Long Straight Bangs(Hair)
それぞれのMelaninの値を0.77に上げます。
目もとの調整
MetaHumanの仕様上、目を大きくすると目もとに影が落ちるのでコンシーラーで明るくします。

Materials > Make Up ▼Foundation
Apply Foundation☑
Concealer 0.06
他にも、Makeup/Lipstickマテリアル調整:見た目に彩りをプラス出来ます。
皆さんの手で適時試してください。
Bodyの変更
体形の変更を行います。MetaHuman Creatorの体形カスタマイズシステムは多様で直感的です。各パラメーターは互いに影響しあい、人型の体形を維持しようと自動で調整が図られます。

Body > Model > Parametric
スライダーバーを操作します。ここではすべての説明が出来ませんが、セミリアルな体系を維持するコツとして、
- 肩幅は小さく
- 胴体は短く
- 首、手、足は細く長く
- 腰は大きく
上記を意識することで、無理なくデフォルメを利かせた体形に仕上げることが出来ます。
是非時間をかけて理想的な体形の形成を楽しんでください。
リギング
リグの追加
ある程度造形が整ったらキャラクターにリグを追加し、キャラクターが動く際の挙動を確認します。

CreateFullRigボタンでリグが自動生成されます。時間がかかるので暫く待ちます。

しばらくするとビューワー下にタームスライダーが表示されます。
右下の▸再生ボタンを押すことで、確認用アニメーションを再生できます。
リグの消去
再び形状の変更を行う際はリグを消去します。

Remove Rigを選択します。
形状の修正とリグの追加による確認を繰り返しながら理想的な形状に近づけます。
BluePrint Classの作成
作成したMetaHuman CharaterをUnreal Engine上で扱えるBluePrint ClassにAssembleします。

Assembly Selection
>Assembly
UE Cine(Complete)を選択します。
>Root Directory
出力先のフォルダを指定します。
>Name
出力するBluePrintの名前を設定します。
Assembleボタンを押します。

Assembleが開始します。しばらく待ちます。

終了後、指定したフォルダに移動します。
BluePrintが作成されているのが分かります。

作成したBluePrintをビューポートにドラッグアンドドロップして確認します。
まとめ
今回はUnreal Engine 5.6の、MetaHuman Creatorを使用し、セミリアルなデフォルメキャラクターを作る方法を紹介しました。MetaHuman高密度なフォトリアルなキャラクターを作れる機能ですが、多機能であるが故に心理的ハードルが高く、使うのを躊躇している方も多く見受けられます。このページが皆さんのMetaHuman Creatorへの関心を高め、クリエイティブな人生の一助になれば幸いです。
